30年の期間でみても長期的には右肩上がりで成長を続けているS&P500は、常に「バブルはいつ崩壊するのか…」という不安がつきまといます。
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本コラムでは、S&P500のバブル崩壊説が語られる理由や投資で知っておきたい心構えや対策をご紹介します。
※ご紹介内容は個人の見解・個人の運用実績です。あくまで投資は自己責任でおこなってください。
プライバシーポリシー・免責事項はこちらからご確認いただけます。
S&P500バブル崩壊を予測する方法は？
S&P500のバブル崩壊を予測することは難しいといわれていますが、予測する方法は知っておくことで、感情に流されずに判断しやすくなります。
今回の内容を理解するために、以下のポイントを説明します。
過去のS&P500のバブル崩壊事例と比較する
過去のS&P500バブル崩壊の事例と現在のS&P500の状況を比較することで、バブルの兆しを探れます。
バブルの周期性を理解することで、今後の市場動向を予測する手がかりになります。
S&P500指数が大きく下落した際、結果的に「バブルだった」という事例があります。
代表的な事例が1999年〜2000年のITバブルです。
※ドットコムバブル、インターネットバブルともいわれる
日本でも2000年代初頭にIT企業の株価が大きく値上がりし、その後、下落した相場（高値から40％以上下落）がありました。
また、2008年の金融機関の破綻（リーマンショック）時、S&P500はた高値から50%以上下落したこともあります。
2008年の金融危機は米国経済の信用不安により、株価とドルが暴落したことにより、一気に世界恐慌につながりました。
こうした事例に現在の相場が似ていないかを確認することで、現在のS&P500がバブル状態かある程度予測できます。
AIバブルが起きている？
S&P500を牽引するマグニフィセント・セブン（米国テクノロジー企業7社）が、こぞって、AIに投資しており、「過熱ぎみでないか」とも言われています。
【参考】妄信すると痛い目見る｢S&P500｣超不都合な真実│東洋経済
株価指数の急激な上昇の背後にある要因
S&P500の株価指数が急激に上昇している現象の背後には、さまざまな要因が存在します。
市場の楽観主義や投資家の心理が影響していることが考えられます。
具体的には、以下のような要因が挙げられます。
2024年5月時点、米国金利は5%以上となっているにも関わらず、株式市場が好調です。
そのため、2024年5月時点では、1の低金利による株式市場への影響は考えにくいと言えます。
そこで注目したいのが、、S&P500を牽引するテクノロジー企業の業績向上や技術革新（AIや半導体など）が株価を押し上げる要因として考えられます。
これらの要因を詳しく分析することで、株価上昇の持続可能性を判断する手がかりになります。
危険信号を示す経済指標をチェックする
経済指標の変化は、市場の危険信号を示す重要な要素です。
S&P500だけでなく、株式市場に大きく影響する経済指標の動向に注目しましょう。
これらの変化をチェックすることで、市場の健全性やバブルの危険性を評価できます。
経済指標の警告信号に注意し、影響を受けやすいS&P500に連動したインデックスファンドのポートフォリを見直すなど適切な対策を考えなければなりません。
S&P500のバブル崩壊すると言われる理由
現在、S&P500バブルが崩壊すると言われている理由は2つです。
それがAI・半導体の需要拡大と米国の異常な経済状態です。
現在、S&P500を牽引するハイテク企業のうち、AI技術の開発に多額の投資をしている企業や需要が拡大している半導体製造企業の業績が向上しています。
そのため、AIや半導体への過剰な投資が需要と供給のバランスが崩れ、バブル崩壊の引き金になると言われています。
一方で、日本と米国との金利格差も大きく影響しているといわれています。
本来、金利が上がると株式市場は冷え込むという市場原則がありますが、現在の米国はこの法則に矛盾しています。
つまり、金利を上げたにも関わらず、過剰なインフレがずっと進行しており、その結果、企業の業績が上がっています。
こうした矛盾する動きも「S&P500バブルが崩壊する兆しではないか」といわれています。
【参考】世界半導体投資、4年ぶり減 誘致競争で供給過剰懸念 │日本経済新聞
【参考】株価が暴騰し、1兆ドル単位の投資が取りざたされるAI狂想曲、1990年代の通信株バブルによく似た響き│JBpress
【参考】焦点：依然好調な米経済、インフレ続けば世界経済の圧迫要因に│RERTERS
S&P500バブル崩壊への対策
S&P500のバブル崩壊への対策を頭の片隅で考えることも非常に大切です。
NISA運用者や投資初心者はリスクを抑えつつ、資産を守る方法を知っておきましょう。
投資ポートフォリオの定期的な見直し
S&P500バブル崩壊のリスクを回避するためには、投資ポートフォリオの定期的な見直しがおすすめです。
たむの場合、NISAを始めた2022年は「SBI・V・S&P500」のみに投資していましたが、2024年4月から三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式（オールカントリー）に分散投資しています。
また、次世代の資産として注目されている、ビットコインをはじめとした仮想通貨に少額投資・積立投資を行っています。
S&P500を盲信しない
S&P500に連動するインデックスファンドは米国経済を牽引する500社に分散投資できます。
どんな経済危機が起きてもその度に米国経済は強く生まれ変わり、復活しています。
その証拠に米国を代表する企業の経済指標であるS&P500は右肩上がりの成長を続けています。
S&P500指数のチャート【リアルタイム】
しかし、上記のS&P500指数のチャートの「すべて」をクリックすると、過去14年の推移を見れます。
この推移を見ると、いくつかの暴落と長期の停滞局面が見受けられます。
見方を変えれば、こうした下落と停滞はバブル崩壊とも考えられます。
特にS&P500を牽引する、一部の大型ハイテク株（AIや半導体、EVなど）が不調になると、S&P500が急低下することもあります。
ドル円為替レートも大きく影響する
急激に円高振れると、損失金額も大きくなります。そのため、円で稼いでいる、円で生活をしている人にとっては、重要な要因です。
こうしたドル円為替レートに影響を受けにくい投資方法が積立投資（毎月一定金額を投資する）です。
「S&P500だから大丈夫」ではなく、あくまで自分のお金ですので、定期的に経済指標をチェックして、自分のライフスタイルに合った投資戦略を取りましょう。
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一喜一憂しないメンタルを鍛える
SNSやインターネットでは、S&P500のバブル崩壊や暴落が起きると「NISAを推している日本政府にだまされた！」「儲かるって聞いていたのに」という恨み節がでがちです。
しかし、あくまで「投資は自己責任」です。
自分の資産は自分で守る必要があり、定期的な見直しをしなければなりません。
短期的な暴落やバブル崩壊などに動じないことが大切
NISAのような長期運用を前提にした場合、暴落から1〜2年の停滞期も短期的な視点といえます。
投資は「長期・分散・積立」が原則です。こうしたルールを守り、有象無象の意見に惑わされないようにしましょう。
また、お金の知識も重要です。お金の知識をつけることで、正しい資産運用を学べます。
自分でお金の知識つけることで、投資の原則を理解すれば、S&P500のバブル崩壊が起きたとしても動じない精神力を身につけられます。
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S&P500バブル崩壊後の景気回復期
最後にS&P500のバブル崩壊後の景気回復期について、ご紹介します。
S&P500の回復期に重要な役割を果たすポイントをご紹介します。
再生可能エネルギー産業の発展
バブル崩壊後、再生可能エネルギー産業は経済回復の鍵として急速に注目されています。
環境問題への対応として、再生可能エネルギーの需要が高まっています。
これらの動きは、エネルギー産業の構造を変革し、新たな雇用機会を創出します。
エネルギーの自給自足と環境保護が一体となった政策が求められています。
各国政府と中央銀行の経済対策の効果と課題
バブル崩壊後の景気回復において、各国政府や中央銀行の経済対策が中心的な役割を果たします。
経済対策の効果と課題は以下があります。
各国と各国の中央銀行の政策は、短期的な市場の安定だけでなく、長期的な成長への道筋を設定する責任があります。
政府の迅速な対応と透明性は、市場信頼の回復には不可欠なため、常にアンテナを張っておきましょう。
新規雇用創出と技術革新
バブル崩壊後の経済立て直しには、新規雇用創出と技術革新が中心的な役割を果たします。
技術進歩は新しい産業の形成と、従来の産業における業務の再定義を促進します。
以下の動向が特に大切です。
これらの動向は、多くの産業において効率を向上させ、新たなビジネスチャンスを創出し、企業間の競争力を高め、強化できます。
また、技術革新に伴う教育と訓練の強化（リスキリング）も必要です。
リスキリングにより、労働市場は変化に柔軟に対応し、新しい技術を生かした雇用創出が期待されます。
技術革新と新規雇用の創出は、バブル崩壊後の景気回復における重要な要因といえます。
日本政府は金利の正常化と労働市場の流動性を担保する必要がある
日本の賃金がなぜ30年間も上がらないのか、これは西欧に比べて、日本の雇用流動性が低すぎるという点が挙げられます。日本の解雇規制は非常に厳しいため、不況からの脱却を邪魔しているといえます。
たむは解雇規制の緩和には賛成です。成果を出せない人が重要なポジションに居続ける、正社員で居続けることは会社や社会、そして本人にとってもマイナスでしかありません。
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まとめ
2024年に入ってから、S&P500の指標が右肩上がりで急激に上昇しており、「いつ、バブル崩壊するか？」と言われています。
しかし、「日本の不動産はバブルでもうすぐ崩壊する」という話も過去10年前から言われており、現在、バブル崩壊していません。
S&P500がいつバブル崩壊するかは誰もわかりません。
大切なことは、投資している自分がしっかりとお金の勉強をして、知識をつけて、自分が納得できる資産運用を行うことです。
新NISAでも人気の高いS&P500と連動したインデックスファンドは、多くの人が投資しています。